2007年4月11日(水)
        ジジの音楽武者修行
     
      スクールーオーケストラと そのヴァリエーション
                         
親と子の絆
          
           〜受け継がれる漁師の心粋〜    
                                               
NO 88

4月6日〜7日と高級割烹大衆料亭民宿「浜野丸」に行った。今回の楽しみの一つは旬の”カツオ”。途中、山々の木々は新緑に覆われ、タンポポや土筆「つくし」も楽しんだ。宿に少し早めに着きお茶してたところ、お母さん(失礼 女将さん)が、”船(浜野丸)が帰ってくるから見に行きませんか・・・とのこと。
この宿には永年お世話になっり、船をもっていることは聞いていたが、「浜野丸」を見たことが一度もない。早速、豊浜漁港に走る。
すでに何隻も接岸していた。船が着く度に数名のたくましいおばさん達(失礼・・!!)が船から魚を降ろし、箱に入れる。即、台車に乗せて競り場に運ぶ。その仕事ぶりは威勢がよく見惚れてしまった。
”かつお”は特に鮮度が命とか・・・。よって慌ただしく、しかも手際よい作業は納得するところ。

しばらく待つているところに,女将さんが”きた・・・!!”。目を凝らして沖を見てもどの船を指しているか全く分からない。堤防を越えて内湾に入ってきても正面からは船名は確認できない。方向転換し、目前に迫ってきてようやく「浜野丸」と確認。

漁場は三宅島沖付近。昨日からの船泊の2日間の漁。乗り組み員は長男の船長と弟の二人だけ。
”大漁ですか・・・・?”と。・・・少し間があって”ニッコリ・・・”したのが船長。もちろん女将さんも満足顔・・・!!。

早速、船尾の箱が開けられ次々と取り出される丸々太った”カツオ” ”カツオ ”カツオ”・・・。
船底はまるで”魔法の箱”でもあるかのように次々と・・・。20近く用意した箱も足りない。ドンドン用意される箱も間に合わない。その量は他の船とは全く違うのにビックリ状態・・・・・・・・。

今夜のメインデッィシュはいつもの、アワビ、 伊勢海老、サザエ・・・・の囲炉裏焼きと特注の船盛。
それに、今回は待望の”カツオ”。

お風呂は早々に済ませ、早速、囲炉裏に集合。船盛を肴に"乾杯!!”。きんめ、アワビ、マグロ、イカ、サザエ、キス・・・・。全てが新鮮で美味しい 美味しい・・の連発。

カツオはまだ港とか・・・。そのうちに窓越に船長兄弟が帰ってきた気配。”ジジ カツオの裁き方を見たら・・”と女将の声。板長は弟。ジジも多少なりとも魚は裁くが・・・・・?。頭の落とし方から順々に説明をしながら手際よく裁いていく。

そこですかさず質問。”生臭さをとる方法を・・・”。それは、背中のこの赤い(血色)の筋をとればよい・・・!!”とのこと。
いよいよ”カツオ”の御出座し。ニンニク、ショウガは定番。玉ネギのスライスとのコンビネーションは絶妙な味。(玉ネギ・・・ナニ!! タタキで一緒に食べた事無いの・・・・・と言われるが・・・この玉ネギは別格・・・一度ご賞味ください。)
)。
カツオの美味しさの見事さに先ほどの主役であった船盛には箸が全く進まない。ついには、”カツオのお替り”まで無理を言ってしまうほど・・・・。”玉ネギもタップリ・・・・・”とちゃっかり注文をつける始末。
それに、平行しての囲炉裏焼きは、さすがダイナミックで味もお見事。なんと贅沢で至福の時だろう。
美食に魅了され、お酒が進まない。地元の旧友が差し入れてくれ地酒とビール(キリンのラガー)
を数十本かな・・・・?。今回も結局、シンデレラの時間を過ぎて布団に入った・・・。

追伸
後継ぎのことでは、何かと問題が多い中、浜野家は素晴らしい。
度々テレビでも紹介の浜野丸」。親方はここ数年体調を壊し、息子二人に船を譲った。その息子はジジをはじめその仲間が小さい頃からよく知っている。その兄弟がそれぞれに、気立ての良いお嫁さんを迎えた。厳しい海の仕事と、頑固な親父さんに使えるのは・・・?と心配した事もあったが・・・(マー 頼りになる女将さんもいるから・・・とか)。
でも、今回の漁がそうであるように、二人の息子は立派に後継ぎをしているのである。

太平洋の荒波。”船底一枚下は地獄” 何度か”・・・こりゃ駄目かもな・・・”と覚悟したこともあったと、親方から聞いたこともある。
”昨夜、船泊は不安でないですか・・・”に対し   ”一度試してみますか・・・・”とのこと。

今回、息子が囲炉裏で箸裁きをしてくれた。親父さんとダブッタ姿を見るとき、”子は親の後姿を見て、育つ!!”といったことの意味の深さと現代の世相とのギャップと痛感した。浜野家の絆の強さを、改めて考えさせられたジジでした。



       民宿 「浜野丸」    浜野光夫 
         千葉県勝浦市部原1065   рO470−73−3419
             *部原と書いて ”へばら”と読みます。

    
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