平成17年度NHK全国学校音楽コンクール
            
             古 橋 富 士 雄 先生による
                      課題曲講習会(小・中学校)から

                    
                              〜モデル校を通してのアドヴァイス〜
                                                   
主催 日本教育音楽協会

  講 師     合唱指揮    古橋 富士雄
           ピアノ指導    山内 知子(小学校)     斎木 ユリ(中学校)
  モデル校
           小学校  東京都小金井第一小学校   校長 福元弘和   音楽科教諭  山内雅子
                                 〒192-0066  東京都小金井市本町1-1-6  п@042−384−1141
        
           中学校  埼玉県秩父市第ニ中学校   校長 池田克生    音楽科教諭  印東公民
                                 〒368-0035  埼玉県秩父市上町3-13-48  п@0494−22−0646



山内先生と素敵な仲間達です 古橋先生の魔力にドンドン引き込まれていきました





ジジからのメッセージ

6月3日(小・音楽之友ホール)・4日(中・晴海中学校)で課題曲講習会が開催されました。北は北海道「函館市・札幌・岩美沢市」、南は「五島市・大村市」更には、九州・沖縄と多数の参加者。
モデル校の2校ともコンクール等での実績も見事。古橋先生の10時から15時過ぎまでの長時間のレッスンに最後まで、さわやかな笑顔で集中して最後まで立派な態度に、会場から惜しみない拍手が送られました。日頃、指導されている先生方の素晴らしい指導観を感じました。
また、今回は中学校会場が晴海中学校(熱気の暑さに冷房を入れていただきました)をお借りできたことで、中学生300余名の参加があり例年にない熱っぽい講習会になりました。
最後のまとめのモデル校を含めた合同演奏では、素晴らしい心のハーモニーが会場全体を感動の渦で充ち溢れていました。



ピアノ指導の山内先生 熱い眼差しに先生方の意気込みを感じました。



 小学校の部

 二部合唱   みんな みんな
    作詞   まど・みちお
    作曲   三善 晃                    
                                              
                    〜私たちは地球と宇宙の子どもなんだ〜

  ☆コンセプト(みんな  みんな)
     ・ すばらしい地球とその地球を抱いている宇宙を大事にしよう
     ・ わたしたちみんなは日本の子どもだが、その前に、地球と宇宙の子どもなんだ

  ☆ひたむきな明るさで自然な表情を
     ・ 一人ひとりが発声を自然に、発音を明瞭に、ということで、わざとらしい飾った発声や、曖味で不明瞭な発音は
       詩の内容を他人事に感じさせてしまう。この曲は、子どもらしいひたむきな明るさで訴えなければならない。そのうえで、
       緩急や強弱の変化が自然に生み出される。人為的な約束事の変化は禁物だ。あくまでも自発的な意欲やイメージを、
       大事に育ててほしい。

                                                       三善 晃 
                                             (2005.5教育音楽・小学版から抜粋



空気はどこに入っているかな・・・?腰のとこに?   寝てやってみて・・・   ヘソモとモヘソ!!


                           

                        
                      古橋先生のレッスンからのポイント

        ☆ 腹式呼吸・発声・姿勢のこと
  
              ・肩を上げないで、肩の力からを抜き、お腹に息がはいつているかな・・
              ・口を開け、顎を引く。顎が上がると喉が狭くなります。
              ・顔を手で押さえて(顔が上がらないため)  mi (ド)   ma (ミ)  a (ソ)  移調していく
              ・空気はどこに入ってますか・・・・。 お腹 ・ 胸 ・ 背中 ・お腹の周り   やってみよう・・・・。
              ・古橋流的表現で言うならば
               ヘ ソ モ と モ ヘ ソを鍛える。つまり  
                  ヘソモとは おへそと腿(横隔膜)の部分   モヘソはその反対側のこと
              *へそもとモヘソがくっつく位に息を吐き、次はヘソモとモヘソを急激に引き離しすかさず 息を入れる。
                                                    (・・・
この言い方でよかったでしょうか古橋先生・・
             ・吸った息を一息でスー。または スー スー スーからスー スー スー スー・・・。(息のスピードがポイント)
                                                        最後のスーはすべて吐き出す
            
             ・右手に1円玉置いて,いっきに吹き飛ばす。 一円玉を10円玉・・・と腹式でもっていっきに吹き飛ばす。
             
             ・吸った息をささえながら、ゆっくり吐く。30秒を目標に吐いていく。ただし、胸に息が移動しないように
                                                    (・・・なかなか難しいけれど・・・)
  
             ・小指を歯で軽く噛み、 ハ  ハ  ハ  ハ
  
             ・きき足を少し下げる(前後左右に支えられる姿勢がよい。) 開きすぎは安定感が悪い
             ・立っているとき姿勢の時、チョット身体に触れてフラフラするようではダメ。
 
             ・課題曲は転調が多いので、この調性をどのように感じさせるか・・・・その都度

                       

                        
                          〜 音楽づくりのポイント 〜
                       
     
・小節線の左から右は、クレッシェンド         ・語尾はいつも弱く
     ・短い音と長い音の時、長い音はクレッシェンド   ・上向進行はクレッシェンド  下向進行はデクレッシェンド
     ・色に変化をもった曲づくり
     ・同じ長さの音譜が3つ続いたときは、テンポを揺らす(同じ長さと思わないで・・・)  



”みんな 指揮の通りに歌ってネ・・・。”  先生方の実技にとても具体的に教えていただきました。






中学校会場の様子 


”印東先生 発声練習どうやっている? さわやかなハーモニーの仲間達です 大勢の参加者でとっても充実!!





 中学校の部                                       


    混声三部 ・ 女性三部         
       
作詞    ねじめ 正一
       
作曲   横山 潤子

                                   
働くこと 生きること              

 「花と一緒」は実話です。それも私が育った昭和30年代のことでなく、今の町の話です。今も私は商店街の中で生きています。              ふつう主人が亡くなると、商売を辞めていくのがほとんどですが、この花屋のさんは辞めませんでした。お葬式を終えると、店先に
 明るく立っていました。
 おばさんは花屋さんが好きなのです。花屋さんが好きなのが花の一本一本の並べ方で伝わってきます。亡くなったおじさんはおば
 さんの中にいて、ぴったりくっついています。
 花と一緒にいることでおじさんと生きているのです。昼間はおじさんのことは忘れて働いていても、お店を閉め、一日が終わるとおじ

 さんの存在が浮かんでくるんでしょうね
                                                        ねじめ正一
                                          (2005.5教育音楽 中学・高校版から抜粋)



ピアニストと指揮者のコミニューケーション・・・・・?? 斎木先生から伴奏者一人一人に”どんなところが難しい・・・・? ビデオも大活躍です。



           

                        "おばさん”より愛をこめて

 「ぐいぐい」 「どんどん」といった音、立ち働くおばさんの身のこなし。その周りを彩る小道具の数々、流れゆく景色・・・。想像してみ
 て。それから、おばさんの心の移ろい、それを見守る側のまなざしにも変化があるでしょう。「今日も〜挨拶しようとした」のに[先に挨
 拶されちゃった」その間に揺れているキモチって?なんてことも。
 あくまでもこの詩の世界にふさわしいテンポや間合い・言葉の表情で、自由にまとめあげていっていただきたい。
 「Iu Iu Iu・・・」や「Ia Ia Ia・・・・」が何度も出てきます。この響きの快.不快は、全体の印象に大きく影響することでしょう。
 私たちは、たくさんの人や世の中の色々なものと、繋がっている。しかしまた、今ここにいない人や目には見えないものたちとも、
 思いのほか深く、繋がって暮らしていること・・・・・。
                                                                    
 横山潤子
                                         (2005.5教育音楽 中学・高校版から抜粋)




指揮の実技”4拍子の基本は・・・・。”   ”とっても分かりやすい指揮ですね” フィナーレ”先生方も一緒に!!



               素敵な心のハーモニーが全国各地で聴けることを、今からとても楽しみしています。
                                   ー  ご健闘を!! −