「夢の世界を」 作詞・芙龍明子 作曲・橋本祥路 ハ長調 8分の6拍子
AA'BB'による二部形式
中学生においては、合唱曲として1年生の5月で習う曲である。小学生においては、授業・校外学習等で使用する副教材「みんなのうた」に入っており、今月の歌・合唱祭で歌われる曲なので何となく耳になじんでおり、人気曲の1つである。前半の斉唱から後半の盛り上がり三部合唱へとハーモニーが流れているので、合唱の良さを体感しやすい。同声二部の経験しか持たない小学生に混声三部を体験させることにより、響きの違いを体感させ合唱の魅力・豊かな響きを味わわせ表現力をつけさせたい。
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「ふるさと」 文部省唱歌
ヘ長調 4分の3拍子
A(aa')・B(ba'')の二部形式
昔から広く人々に歌い継がれた曲である。今回は混声四部のバージョンで取り組んでおり、小学生はアルト・ソプラノ部分に参加している。歌詞や旋律から情景や心情を味わうのに適した曲である。文語に近い言葉なので、意味を十分に理解し、美しいふるさとの情景を思い浮かべながら、合唱を楽しませたい。4声がそれぞれ美しく絡み合っているため、呼吸・姿勢・響き・発声に気をつけて歌うことで、声が響きあい、美しさを感じやすい教材である。
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「われは海の子」 文部省唱歌
ニ長調(原曲は変ホ長調)
4分の4拍子
A(ab)・B(cd)の二部形式の曲
海の情景を想像してのびのびと歌えるこの曲は、長い間人々に親しまれ、歌い継がれてきた。文語体の歌詞なので語句の意味をよく理解して歌わせるようにしたい。またABともに低い音から徐々に高まり、大きな起伏をつくる旋律が特徴的であるため、フレーズの頂点に向かって自然に高まり、終止に向かって自然に落ち着く旋律にふさわしい強弱表現にも心がけさせたい。 |
鑑賞曲 「山田耕筰の歌曲」
山田耕筰の歌曲を鑑賞することにより、いろいろな演奏形態による声の響きの美しさや違いを味わい、さらには楽曲の情景や心情を想像させ「ふるさと」へとつなげていく。
*「赤とんぼ」・・・歌詞の表す情景をよく理解させ、美しい旋律に込められた心情を共感的に味わって聴き取らせたい。
*「この道」・・・・幼い日の母との思い出を、懐かしさを込めて温かく歌い上げた曲の味わいと、それを支える歌唱表現の美しさを聴き取らせたい。
*「待ちぼうけ」・・1節ごとにおもしろい物語が生き生きと展開していく様子を聴き取らせたい。
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「花」
日本語の美しい響きをもつ歌詞が四季折々の自然が美しい日本の風景を思い浮かべさせてくれる作品である。詞と旋律の結びつきが大変効果的で、春の情景を詞と旋律で見事に表現している。また、二部合唱の響きも大変豊かで、響きのある歌声をつくろうと意識して学習した場合に練習の成果が現れやすい作品である。詞と旋律の調和のとれたうつくしさ、二部合唱の響きの豊かさをぜひ、中学生に味わわせたいと思い、本教材を選択した。
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小学6年生(総時数9時間) |
中学3年生(総時数6時間) |
第1次 |
ねらい |
(小6)
歌詞や旋律から情景や心情を味わって鑑賞したり表現したりすることができる。
曲想を理解し、気持ちをこめて歌うことができる。
(中3)詞や曲から情景をイメージし、季節感を味わいながら合唱することができる。
響きのある歌声を工夫し、美しい二部合唱を響かせることができる。 |
第1時 |
○山田耕筰について理解する。
・ どのような作曲家であったかを知る。
○「赤とんぼ」を鑑賞する。
○「赤とんぼ」の歌を歌う。 |
○「花」を歌い、春の情景を思いうかべる。
○ 歌詞を朗読し、日本語のもつ美しい響きや抑揚に気づかせる。
○ 合唱し、歌詞と旋律の効果的な結びつきを感じ取らせる。
○ 四季や季節感を表現した曲を探し、発表しあう。 |
第2時 |
○「この道」と「待ちぼうけ」を鑑賞する。・歌詞と旋律を味わって聴く。
○「ふるさと」を鑑賞する。
○「赤とんぼ」の歌を歌う。 |
第3時 |
○「ふるさと」の主旋律を歌う。
○ソプラノ・アルトパートの練習をする。
○「ふるさと」を2部合唱する。
○「赤とんぼ」を歌う。 |
○ 速度や強弱などの諸記号と、歌詞の表す内容とのかかわり合いを理解し、曲想生かした表現を工夫する。
○ 「花」を合唱し、響きのある歌声を工夫する。 |
第 2 次 |
ねらい |
(小6)
混声四部合唱に参加し、歌声を美しく響かせることができる。
歌詞の情景や曲想を大切にして、気持ちを込めて合唱することができる。
(中3) 詞の持つ情景を味わい共感しながら、曲想を生かした表現の工夫をすることができる。
豊かで美しい響きを工夫しながら各声部の役割を生かした混声四部合唱をすることができる。 |
第4時 |
○お互いの既習曲を歌い合い、歌のプレゼントをする。
(中学生からは「花」・小学生からは「赤とんぼ」)
○音程に気をつけて「ふるさと」のパート練習をする。
(小)中学生の姿勢・発声の仕方をよく見て歌いましょう。
(中)正しい姿勢・発声を確認しながら歌いましょう。 |
第5時 |
○既習曲「夢の世界を」(混声三部合唱)を歌う。
○ 本時のめあてを確認する
(小)他のパートの響きを感じながら正しい音程で歌いましょう。
(中)合唱の問題点を修正しながら美しい合唱を響かせましょう。
○「ふるさと」(混声四部)のグループ練習をする。
○全員で「ふるさと」の合唱をする。 |
第6時 |
○既習曲「夢の世界を」(混声三部合唱)を歌う。
○ 本時のめあてを確認する。
「ふるさと」の詞からイメージを感じ取り、表現するには、どのような工夫をすればよいか考えましょう。
○「ふるさと」(混声四部)のグループ練習をする。
○各グループで工夫した「ふるさと」を発表する。
○各グループの発表の中での、相違点を確認し、共通の感じ方を話し合う。
○全員で「ふるさと」の合唱をする。 |
第7時 |
○本時の展開参照 |
第 3 次 |
ねらい |
(小6)第2次で学習したことを生かして、曲想をとらえ合唱曲を仕上げることができる。 |
第8時 |
○「われは海の子」を斉唱する。
○ ソプラノ・アルトパートの練習をする。
○「われは海の子」を合唱する。
○グループにわかれて二部合唱を練習する。 |
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第9時 |
○グループごとに詞から曲想を感じ取って歌い方の工夫をし、合唱曲を仕上げる。
○全員で「われは海の子」を合唱する。 |
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過程 |
学習活動と内容 |
支援○と評価☆ |
リラックス5分 |
1 「夢の世界を」歌う。(第2音楽室)・小学6年は中学3年を迎える気持ちで「夢の世界を」1番を歌う。(指揮は小学生)・中3年は、自分たちの美しい歌声を伝える気持ちで「夢の世界を」2番を歌う。(指揮は中学生)・全員で心を合わせて「夢の世界を」の1番を歌う |
○入場とともに曲を流して、合唱への意識づけができるようにさせる。T1
○豊かな表現で歌えるように、教師が指揮をする。T3
☆心をひとつにして美しいハーモニーがつくれたか。(歌声・姿勢・表情から) |
学ぶ5分 |
2 今日のめあてを確認する。
ふるさとの情景を思いうかべ、曲想を工夫して歌いましょう。 |
3 詞にふさわしい歌い方をするにはどのようなことに気をつけたらよいか、確認する。 ・1番・2番・3番の歌い方の違いを工夫します。 ・3番の盛り上げ方を工夫します。 |
○前時に書き込んだ歌詞を提示し、確認できるようにさせる。T1 (資料1) |
広げる25分 |
4 前時の話し合いに沿って、4つのグループに分かれて表現を工夫しながら混声四部の練習をする。 |
☆ 曲の感じ方や練習方法について自分の考えを述べ、表現の工夫に生かすことができたか。(グループ活動の観察から) |
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1グループ(第1音楽室)
小学生・中学生ともに、うちとけた様子で、しっかりとした声で歌うことができる。リーダーはとても積極的で、メンバーの意見を引き出そうと努力している。
二番の歌い方の工夫 重唱→全員
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小 |
中 |
ソプラノ |
5 |
3 |
アルト |
4 |
3 |
テノール |
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2 |
バス |
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2 |
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2グループ(第1音楽室前ホール)
和やかにまとまっており、良い雰囲気で練習を進めている。ハーモニーはまだ完成されているとは言えない。リーダーには具体的な指示を出してほしい。
二番の歌い方の工夫 中学生とハミングの小学生→全員
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小 |
中 |
ソプラノ |
4 |
3 |
アルト |
4 |
2 |
テノール |
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2 |
バス |
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2 |
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3グループ(第2音楽室)
全体的に音量があり、特にバスが美しい声である。テノールも音程がしっかりしており、低音部がしっかり支えている。小学生の数名は良い声が出せる。
二番の歌い方の工夫 全員
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小 |
中 |
ソプラノ |
4 |
2 |
アルト |
5 |
2 |
テノール |
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2 |
バス |
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3 |
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4グループ(第3音楽室)
全体的な4つの音のバランスは良いが、もう少し音量がほしい。低音部については、時々音程が不安定になるが、積極的に取り組んでいる。リーダーは積極的に指示を出してほしい。
二番の歌い方の工夫 小学生→重唱→中学生→全員
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小 |
中 |
ソプラノ |
5 |
2 |
アルト |
4 |
3 |
テノール |
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2 |
バス |
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2 |
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<練習の流れ>
@ 通して歌い、音の響き合いの感覚をつかませる。
A 具体的な表現の工夫について話し合う。
B 話し合った内容をもとに部分練習をする。
C 学習したことを生かして、3番まで通して歌う。
「志を」からは、強い決意が現れるように、力強く歌いたいです。 |
故郷の人々を思い出しながら、しみじみと歌いたい所です。 |
「忘れがたき」は思いを込めてていねいに歌いましょう。 |
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○ 3人の教師の役割を明確にして、的確な援助ができるようにする。<T3>各グループの練習方法やめあてについてアドバイスをする。<T2> 1と2のグループについて、詞から思い浮かべたイメージを歌声であらわすためのアドバイスをする。<T1> 3と4のグループについて詞から思い浮かべたイメージを歌声であらわすためのアドバイスをする。 |