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「音楽科特別講座」から  その1
主催 音楽教育推進協議会"関東甲信越21世紀の会"





遠藤好子先生 小原光一先生  真鍋淳一先生
第12期・前期『音楽科特別講座』報告
【ジジのメッセージ】
450名(関東甲信越をはじめ、岡山、三重、金沢・・。)を超える先生方を迎えての今回の講座。各教師の指導力がますます期待させる中、時代の要請と基礎・基本の重視等をどのように受けとめたらよいのか・・・。現場の悩みは山積しています。それらに少しでも対応できたらと考えカリキュラムを編成しました。
受講された先生方のご意見を中心に、数回に分けて報告します。
・ 期日 平成16年8月23日(月)〜24日(火)
・ 会場 品川区総合区民会館「きゅりあん」
・ 主催 音楽教育推進協議会"関東甲信越21世紀の会"
・ 協力 全日本学校音楽研究会
・ 協賛 ヤマハ株式会社
・ 講師 小原光一(元文部省初等中等教育局教科調査官・視学官)真鍋淳一(町田市立忠生中学校教諭)遠藤好子(上越市立城西中学校教諭)他 全日本学校音楽研究会講師
●講座の始まりです●

早朝よりご苦労さまです 会場いっぱい 開会前に"ビリーブ"を

素敵なハーモニー! 大塚会長挨拶 品川区教育委員会挨拶

 

● 講 演●
「これからの音楽教育に期待されるもの」
講師  小 原 光 一
(元文部省初等中等教育局教科調査官・視学官)


○ 印象に残った一言から
日本人の感性の素晴らしさ"音に無い音を現す"。歌舞伎はバチと太鼓で、「雪、風、雨が降っている様を微妙に表現できる。日本人はこれを感じる豊かな感性を持ち備えている。

音楽教育。つまり音楽だけでなく、もっと広く教育、広い知性、感性、人間教育とった視点を見失ってはいけない

教育目標(学習指導要領)でもっとも注目したい語句と意味は、"・ともに・"である。技能を身に付ける⇔好きになってほしい。これが"ともに"の重要な意味である。

身に付くためには長い時間がかかる。即効薬は無い。目先のことだけでなく長いスパンで考えて育てていく。

"好きにする"。反復を重ねることによって、音楽と関わろうとする。安易な好きのレベルにとどまってはいけない。

"心の教育"にはよい刺激を。豊かな心情を育むためには発達段階に即した良質な刺激、適切な教材開発、多様な体験、等が不可欠。

"あびせ学習"(小原流)の推進。

毎時間一曲鑑賞すると、年間で70曲聴くことになる。

もう一度歌いたい、もう一度聴いてみたい、もう一度弾いてみたい。といった心情を大事にした指導を大事にしたい。

学校には時間と場所がある。そこに学校教育の意味がある。

"基礎基本の徹底"をやることにゆるまない。"活動あって学習なし"は絶対に避ける。

学校教育に音楽科が教科として存在する意義を再認識してほしい。

● ワークショップ<実技選択講座>〜これが指導のつぼとコツ〜 ●

身近な楽器の魅力! (リコーダー・ピアニカ指導のポイント)
講師  山田 洋一(全日本学校音楽研究会)



☆ ワークショップB「身近な学期の魅力!」を受けて
今回講習を受けて,鍵盤ハーモニカやリコーダーがこんなにも表現力が豊かで,魅力ある楽器であったことに改めて気付かされました。「教師が吹いても子どもが吹いても同じように吹けてしまう楽器。だからこそ教師は上手に吹けた方がいい」という言葉にうなずきながらも,上手に吹くとはどういうことなのか,はじめはよく分かりませんでした。しかし,山田先生の演奏を聴き,舌をふるわせるなどの工夫やヴィブラートなどの技術を身につけることで,こんなにも音色が変わってくるのか,と驚かされました。自分が吹けるようになるまでは時間がかかりそうですが,もし,できるようになったら今よりもずっと子どもたちに音楽のすばらしさを伝えられるような気がしました。一方で,山田先生は子どもの吹き方について声をかけるとき,子どもがイメージしやすい言葉かけをすることで,吹き方が変わってくることを,実技を交えながら分かりやすく教えてくれました。小学校で初めて子どもたちが手にする楽器だからこそ,子どもたちの気持ちを大切にしながら授業に取り組んでいきたいと思いました。
茨城大学教育学部附属小学校  桔梗谷 美代子



聴き!効き!喜々!  どう使う?この楽器  (教育機器の効果的活用)
講師  角田 昌直(全日本学校音楽研究会)



☆今回はワークショップ A 「教育機器の効果的活用」と F 授業で生かす「マルチメデイア」に参加させて頂きました。ワークショップの形になって初めての参加だったのでちょっと不安だったのですが、とても良かったです。 普段、現場で使っているSE7000を更に効果的に使うヒントを頂いたり、カタログで見るだけだったSHK1000を実際に使ってみることができたり、ハローミュージックの機能について疑問に思っていたことが理解できたり、とても勉強になりました。
講座が終わった翌日ハローミュージックで作った楽譜をMIDファイルに保存し、SE7000で再生することができました。やった!!!と達成感でいっぱいです。 できれば、もう少し時間を頂いてじっくり学びたかったと思います。
この講座の為にたくさんの機器を用意して頂き、貴重な機会を与えて下さった先生方とスタッフの皆様に心から御礼申し上げます                    
神奈川県平塚市立崇善小学校   塚原 百合子                                    



 楽しい指揮法 誰でも名指揮者!
講師  笹森 敏明(全日本学校音楽研究会)



私は、人と一緒に歌うことが大好きです。それは、まわりの人と心がひとつになったと感じるからです。大きな達成感・満足感を味わうことができるからです。 教員になってからは、学級の子ども達に、歌うことの楽しさを味わわせたい、私と同じように歌うことが好きになってもらいたい、歌うことで学級をまとめたいといつも考えていました。そして、その為に、皆が歌いやすく指揮をすることができたらいいなと思い、本講座を希望しました。  講座の中で、先生は常に「子ども達と心を合わせることが大切」ということを話されました。歌う人との信頼関係を築き、心をひとつにしなければ歌は成功しないということがよくわかりました。指揮者は、歌う人と近い存在でなければならないということを強く感じました。 本講座をとおし、肩の力を抜き、一緒に歌いながら指揮をすることの大切さ、指揮棒の持ち方、指示を出すタイミングなど、細かいことまで学ぶことができ、大変為になりました。講座の後、「子ども達と一緒に歌いたい。」という意欲がわいてきました。                                     
千葉県白井市立桜台小学校  丸山 麻紀子                             



管楽器 はじめの一歩  (授業での楽しい管楽器活用)
講師  小池 伸幸(全日本学校音楽研究会)


☆講師の、小池先生の机には、手品師のように小道具がいっぱい。管楽器を手に集まった受講者は始まる前から興味津々・・・『音楽の基本は歌!』という先生のお言葉で「ビリーブ」の合唱から始まる。2番で先生の輝かしいトランペットの音色が加わる。気分良く、生き生き歌える事がわかる。『吹いている方も歌うように吹けるから気持ちがいいんですよ。』と先生。
B4の色画用紙を丸めた紙筒で金管楽器の疑似体験。意外なほど簡単に音が出せる事を知る。「おもちゃのチャチャチャ」に合わせて、皆でラッパを吹いている気分で鳴らす。簡単!でも発音の原理がよくわかってすごい!音楽に合わせるとワクワク!これなら子どもたちに教えられそう!
その後も次々に小道具を使って、楽しく、しかも管楽器の特性、組み立て方、手入れの仕方、子どもに教える時の配慮等も理解できる内容であった。歌に管楽器が加わることで、面白さが生まれ子どもたちに夢を与えることができる。具体的な方法をたくさんいただいた講座であった。
東京都品川区立鈴が森小学校 田辺映子

毎回、講座を楽しみにさせていただいております。今回は「管楽器 はじめの一歩」に参加しました。これまでの私は、合唱活動を中心とした授業や課外クラブ(合唱部)の指導がほとんどで金管楽器や木管楽器に関しては、特別指導の必要性を感じることなく今まで通してきました。ですが、今年赴任した学校では吹奏楽があり大変困りました。切実な思いで講座に臨みました。
小池先生の話を聞けば聞くほど目から鱗で、楽器を鳴らすことの楽しさを感じさせていただくことができ感激しました。今まで私が行ってきたことは、子どもの好奇心や可能性を摘んできてしまったことであり、何の根拠も無いいい加減な指導であったことを深く反省しました。指導者が楽器のしくみを正しく理解し、鳴らし方の上手なコツを理解できれば、子どもの世界はもっと広がることを体感しました。(・唇の振動を紙の筒で理解させる、さらに穴を開けずに音程を変える・練習用のマウスピースで頑張っても決していい音が出せることではない、先ずは本物の楽器で経験させてあげること・マウスピースのスロートの部分を口に銜えて息を吐き出す、そのためにも清潔にしておくことを習慣付ける・常識的なそれぞれの楽器の扱い方や手入れの方法など・・・)まだまだたくさんの内容を、沢山教わることができました。早速、学校に帰って実践しています。最後に、「歌に管楽器を入れると、楽器も歌っている気持ちで吹くことができる」というお話でした。深く共感しました。『ビリーブ』を皆で歌った時、先生のトランペットの音色が本当に美しく芯からリラックスした気持ちになれました。
千葉県習志野市立津田沼小学校  小磯宣枝



 シベリウス2  私もアレンジャー
講師  関岡 俊晴(全日本学校音楽研究会)



☆ 「パソコンで美しい楽譜が早く書けたり、アレンジが簡単にできたら便利で楽しい
だろう」という思いがふくらんでいき、楽譜作成ソフト『シベリウス 2』を購入。
インストールしたまではよかったのですが厚さ2センチ近いユーザーガイドには閉口
していました。
そんな時、今回のこの講座を知り、即時申し込んだ次第です。とは言っても、『使いこなすためのテクニックやウラワザを教えます』の講座案内には「使いこなせなても何とか使えればいい。ウラワザを覚えるにはまだ早いかも…」などと消極的な気持ちで受講日を迎えました。
講師の先生に次々と説明される内容を聞き取りながら、吹奏楽の楽譜を作成するという作業は基本操作やショートカットが身に付いていない初心者の私にとっては大変な体験でした。しかし、瞬時に変化し、作成されていく楽譜を目の当たりにした驚きと喜びは想像以上のものでした。
講師の関岡俊春先生の『使ったら使っただけ手になじんでくる』という励ましのお言葉を忘れずに、この実践を通して学んだ多くのことを今後も生かしていきたいと思います。
東京都新宿区立落合第二小学校  矢野 眞理

私がシベリウスを購入したのが昨年秋、ソフトユーザーのための講座があることを知り前回2月に始めて受講しました。
購入しインストールはしたものの分厚いマニュアルは本棚の隅にホコリだらけ。パソコンを立ち上げるとシベリウスを開くのですが、デモ楽譜を見たり聞いたりする程度で、自分で楽譜作成など考えられませんでした。
2月の講座では、今まで使用していたソフトとは全く違うコンセプトに戸惑いましたが、使ってみるとワープロソフト感覚で使い勝手が良いことに驚きました。しかし、使えば使うほど慣れてきますが、逆にたくさんの疑問もおこります。今回の講座では、その疑問も解決しもやもやしていたものが、なくなりました。
簡単な音符入力、自分の思い通りになるレイアウト機能その他ショートカットの多彩さ、二日間でたくさんのことを教えていただきました。ありがとうございました。
千葉県浦安市美浜南小学校  新井  正



 授業で生かす マルチメディア  (学校用ハローミュージックを使って)
講師  加藤 幸平(全日本学校音楽研究会)


☆ テンポよく、ユーモアを交えつつもポイントを押さえた加藤先生の楽しいお話と、和気あいあいとしたグループ活動で、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
「マルチメディア」と聞くと、コンピュータ、面倒、難しい・・・というイメージで、つい遠ざけてしまう分野でしたが、今回の研修で、もし自分で伴奏のデータなど作ることができたら、指導にゆとりが生まれ、子供の活動の幅もうんと広がるのだなと実感しました。機器に強い特別な人だけではなく、普通の人でもやれそうだな、そんな気持ちになれた講習会でした。最近、ハローミュージックを手にし、トライし始めたところです。今回の講座で学んだことを生かしながら、授業に取り入れられるようチャレンジしていきたいと思います。
 次回は、ぜひ今回の続き「後編」をやっていただきたいと思います。その時は、また受講します。大変充実した一日でしたが、都合により一日しか参加できず、後ろ髪を引かれる思いで会場を後にしました。                  
新潟市立上所小学校 江口陽子

☆「始まりの歌」の歌声でスタートしたワークショップ。楽しく音楽学習をする工夫の例をたくさん示していただいたり、実践校の紹介をしていただきながら、加藤先生の話術にぐんぐん引き込まれていきました。グループになった私達一人一人にワークシートが渡され、初対面の人同志が楽しく、協力し合いながら、機器の中で一つの曲を仕上げました。グループ活動でしたが、自分の作品を創った満足感も得ることができました。音楽の楽しさを大切にする指導をー。反復指導することによって基礎が定着。音楽的な要素を意識させながら指導して、高学年に発展させていく。教育機器の便利な所だけを教材の手立てとして使うといい等、心に残ることばがたくさんありました。加藤先生の笑顔と、楽しいお話に、一時間半がとても短く感じられ、有意義な身のある時間を過ごすことができました。                                          
東京都練馬区立田柄小学校 竹本玲子

2種類の音楽ソフトについての説明の後、学校用音楽ソフトの機能についてわかりやすく教えていただきました。機械が苦手で、携帯電話すら持たない私ですが、加藤先生の説明はすっと頭の中に入りました。
低・中・高各年それぞれの発達段階に合った教育機器の活用の仕方を、非常に濃縮された形で学ぶことができました。言葉遊びからリズムの創作へ、そのリズムが旋律になり、さらに和音の伴奏をつけるという過程をパソコン(学校用ハローミュージック)やハーモニーキーボードを楽しくいじりながら、児童の側に立って体験することができました。何よりもうれしかったのは、6人で機器が1台という現場に近い状況で、個々の作品を生かしながら、グループで一つの作品を作り上げていく経験ができたことです。敢えて、難しいグループ活動を設定してくださった加藤先生に感謝したいと思います。
群馬県高崎市立八幡小学校 神田由美子


心のハーモニー(ワークショップ・全体講座)
実践!体験!体感!  あわせよう!美しい歌声で
講師  遠藤 好子(上越市立城西中学校教諭)

☆ 「いろいろな人との出会いが嬉しい、今日は眠らせません、たくさん歌いましょう!」
と、満面の笑みを浮かべた遠藤好子先生の講座は、ハミングで響きをつくることから始まりました。「遠い日の歌」をハミングで歌い、全員がどのパートも歌えるようにすることで聞く耳を育てる。響きを感じることでどならなくなると。次に「つばさをください」「ビリーブ」等を合唱しながら、伴奏や指揮法、学習環境の整備、小学校からの連携、電子楽器の積極的な活用などについてもあり、教育者としての普段の細やかな心配りがうかがえました。また、「春の牧場」「春がきた」を同時に歌う「パートナーソング」も楽しい体験でした。上手に歌おうは使わないで、嬉しくなるように歌おう!心を耕し、音楽だからできる学校づくりをめざしたいという遠藤先生の顔は、美しく輝いていました。最後に「歌よありがとう」を遠藤先生への感謝の心を込めて、ホール一杯に響かせました。合唱と遠藤先生の魅力に引き込まれた素晴らしい感動的な講座でした。                                 
栃木県茂木町立須藤中学校  石塚きよい

「明日からの授業で生かせるようなことを何か吸収したい。」という思いで参加した音楽科特別講でしたが、たいへん貴重なことを学ばさせていただきました。中でも、遠藤好子先生のワークショップ「実践!体験!体感!あわせよう!美しい歌声で」は、先生の日頃の実践から、具体的にどのように指導していったらよいのか、教師はどのような心構えで臨んでいったらよいのか等たいへん参考になることばかりでした。また、先生の『音楽教育で大切なことは心の通じ合う・開ける集団を作ること。心を開けるということはお互い認め合えたり他人の良いところが見つけられたりすることであり、最終的には自分の良いところも見つけることになる』という言葉が今でも特に心に残っています。
 この2日間は、日頃の自分の指導を振り返るよいきっかけとなったばかりでなく、講師の先生方やまわりの先生方からエネルギーをいただけた充実した2日間になりました。
長野県信濃町立古間小学校  徳武千穂

音楽科特別講座に参加させていただきありがとうございました。
小原光一先生の講演からはじまり、2日間のワークショップ、真鍋淳一先生の合唱講座など授業に役立つアイテムを教えていただき、また2学期から頑張ろういうパワーをいただきました。
 Eコースの遠藤好子先生の合唱講座ではまず遠藤先生の豊かな表情にいろいろ学ぶものがありました。生徒達に"表情よく歌おうね・・。"というけれど、普段自分が授業をしているときはどうなんだろう・・・?。と振り返ってみました。遠藤先生のように表情よく話したり、歌詞の意味を考えて表情をつけたりしながら授業をしていたら生徒にも分かりやすいし、先生を見本に生徒たちも表情よく歌えるようになってくるんだろうなと感じました。
また「音楽で学校を変えていこう」とい言葉。合唱で声が出せるクラスというのは心が許しあえる、そして集団づくりができる!そう考えると音楽という教科はなんて素晴らしいのだろうととてもやる気が出てきました。この気持ちを忘れずにこれからもがんばっていきたいと思います。 
三重県三重郡川越町立川越中学校 伊藤由佳

○全体講座
「クラスのための声づくりとアイティア合唱」
真鍋淳一(町田市立忠生中学校教諭)

真鍋淳一先生の生徒愛と音楽教育への情熱から湧き出る数々の豊富なアイディア。さりげなく話される言葉の奥に、綿密なプランを感じる。歌詞を読み取り表現に生かすことへの妥協のない厳しい姿勢・・・。今回で3回連続の講座に欠かさず参加している先生方の思い。
このページについては、今回、画像のみを掲載し先生のお人柄や陶酔している先生方の表情を読み取ってください。




・・・つづく・・・
−ステキな仲間たち−
小原光一先生から冒頭に、"心の教育"にはよい刺激を。豊かな心情を育むためには発達段階に即した良質な刺激、適切な教材開発、多様な体験、等が不可欠。というお話がありました。いかがだったでしょうか。
余韻を残しながら,次回に続けます。