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ここまでできるの・・・!!
                
音楽科研究主題「感動を喚起する授業をめざして」
                
 感動した見事な心のハーモニー 〜
                       
                         
校内合唱コンクール報告
                                  無限の可能性を引き出した・・・!!




 実践校の紹介
                 千葉県八千代市立村上東中学校
                文部科学省指定 「学力向上拠点形成事業」平17・18・19年           
                              
                             校長 蜂谷美子  
        
〒276−0028  千葉県八千代市村上1113−1   TEL 047−482−0932  FAX 047−482−4037

ジジのメッセージ
                                             音楽担当教諭 熊谷俊彦(2年担任)
 今回の紹介にあたっては、すでに、「ジジの音楽武者修行 12月3日付け NO36」でその概要を報告しました。
 ”ここまでできるのか・・・!!”というのが率直な感想です。この感動を是非、紹介したいと考え学期末のお忙しい
 ところ熊谷先生に資料や原稿をお願いしました。    

 リハーサル(合同練習会)から関わり、その時に”もっと感動的な表現ができるためには、次の課題に挑戦し、どれだ
 け音楽的な質の高い表現ができるかをおおいに期待をしています。・・・・”と話しをしました。

  ・まだ練習不足の感を指摘
  ・声は、特に女声は響きが薄い。男声は声量があるが声質にバラツキがある。
  ・バランスでは、人数の関係もあるが男声が強過ぎないように
  ・表現といっても,合唱はハーモニーが重要。音程がブラサガッテはダメ(特に 男声)。
  ・曲想表現を求めるのはよいが、上記の課題がしっかりとできなければダメ・・・・。

 それが、10日後の校内合唱コンクール本番ではビックリ・・!!。どのクラスも見違えるすばらしい合唱を次々と発
 表していく。
 男女ともに響きのある声づくりがとても立派になったのには驚いた。”高音の響きのあるぬけるような発声はどうした
 らできるのですか・・・”  ”それも短期間に・・・” ”その秘策を是非・・・・”  
と熊谷先生に伺ったほど。
 アルトの声量が余りなく平板であった声が豊かになっていた。男声は声量はあるが吠える感じの歌い方が多く、高音
 になると大体フラットになる。混声三部になると人数の関係もあってバランスがとり難いのはどこの学校でも悩みであ
 る。それが、声量をコントロールしても支えがしっかりしているためバランスのよい見事な混声合唱の響きが楽しめた
 のである。
 更に感動したのが、歌詞の理解と表現との結びつきである。特に高学年になると言葉一つ1つの意味を十分に感じて
 その思いを生かした曲づくりの見事さには言葉を失った。鳥肌が立ってしまったのを今でも憶えています。
                    


全員全力 ”必勝” 響きを確かめ合って オープニング



 熊谷俊彦先生の資料から         
          

          「合唱コンクールへの取り組み」

                (クラス練習をより充実させるために)
 

   
   
週一回の授業では、感動的な合唱コンクールにする事は大変難しいと思います。担任の先生と
   共に、いかに学級での練習を充実させるかがポイントだと思っています。そこで、私は以下の
   三点について意識的に取り組んでいます。
 

 @ ソロコンサート

  毎年一学期に行いますが、各学年の教科書からそれぞれが任意の曲をソロで発表します。(伴奏
  は指導書についているカラオケCDです)この経験によって、合唱練習の際一人ずつ歌わせても
  抵抗を示さなくなります。また、生徒がお互いに評価しあうことによりそれぞれの歌唱力・表現力
  といったところがわかるので、後のリーダー選出やパート練習時に大いに役立ちます。
   

 A 発声練習

発声指導については、三年計画で考えています。渡瀬昌治先生が提唱なさっている「呼吸トレ
ーニング・発声トレーニング」を行っていますが、クラス練習でも毎日できるように発声練習
の伴奏をCD−Rにコピーし、各クラスに配布します。長期的に考えていますが、生徒達は実
に熱心に取り組んでいます。上達が実感できているように思えます。また、具体的な練習方法
を知れば、子供はみな努力するものなのかも知れません。



      1 A
   曲名 タイムトラベル
   指揮 青木 仁美
   伴奏 塚本 菜奈 
      1 B
   
曲名  明日へ
    指揮  白川 沙織
    伴奏  阪原 有美

      1 C
     曲名 チコタン
     指揮 佐藤淳平
 伴奏 豊福 裕亮 衣笠 名南
       佐藤久美子



 B 先生方のための合唱指導講座

  クラス合唱は、「生徒が担任と共に学級で創り上げるもの」と、私は勝手に決めつけています
  (笑)!!。本校の先生方は、学校行事だけではなく普段の学校生活の指導にも大変熱心な方ば
   かりですので、どのクラスも大いに盛り上げてくださいます。音楽科の教師として、少しでも先
   生方のサポートをしたいと思い「先生方のための合唱指導講座」を発行しています。内容は授業
   で指導していることをそのまま要約してプリントしているだけです。生徒達は、音楽教師と同じ
   ことを言ってる担任を不思議に
思いながらも、より確信を持って取り組めるようです。



      2 A
   
曲名  空駆ける天馬
    指揮  大西 勇介
    伴奏  岩淵 愛
      2 B
   
曲名  走る川
    指揮  寺島 敦
    伴奏   岩瀬 朋 
      2 C
    
曲名  伝えたい君に
     指揮  浅川 遥香
     伴奏  黒田 理子


 
 
C リハーサル後の取り組み」

  合唱コンクールの練習を授業で行うのは、毎年運動会が終わる十月の中旬頃からです。今年
   は12月3日が本番でしたので、授業数は2・3年生で4〜5時間、1年生は6時間程度で
   す。
   本年度は「千葉県音研大会」の研究発表がありましたので、3年生は合唱コンクールの自由曲
  の他に、4曲もこの時期に勉強しなければならない大変過酷なスケジュールでした。県音研大
  会が11/25(金)で、リハールが11/24(木)でしたので、一番集中力に欠けていた
  時が学年リハーサルだったと思います。学校の年間行事予定上、どうしてもあの日以外に日程が
  組めなかったというのが本当のところです。今から考えると、失礼を承知でとんでもないことを
  してしまったと反省しています。
  しかし、講師の先生にアドヴァイスを頂いてからの生徒達&担任の先生方(勿論私もです)は、
  正に水を得た魚のようでした。より具体的なアドヴァイスを本校の生徒達は好みます。努力しや
  すいからだと思います。目標が明確になれば必ず努力する素直な生徒達ですので、与えられた課
  題を丁寧に一つずつクリアしていきました。また、女声の響きについてご指摘下さいましたので
  「先生方のための合唱指導講座(その5)」に掲載しました「高い声の響かせ方」をより熱心に
  練習していたようです。暗中模索の練習では、絶対に展開できない内容を担任と共に頑張ったよ
  うに思います。



       3 A
    曲名  時の旅人
    指揮  越川 博文
    伴奏  眞辺 志穂
      3 B
  曲名  碧鷺
   指揮  佐藤 優孝
   伴奏  眞辺 綾奈
      3 C
  曲名 親知らず子知らず
   指揮 安藤 久美 
   伴奏 神原 保美 


追伸  

  先生のご指摘の通り、本校は職員・生徒・保護者がとても仲が良いと思います。特に、蜂谷校長・
  若松教頭・麻生教務主任・石川生徒指導主任
(全て体育科です。あまりにも下っ端がいないので、
  私が本年度は体育科にも配属されました。)
を始めとする本校の先生方が、わがまま放題の私の考えを
 受け入れてくださり、支えてくださっています。愚者の私が申すのも滑稽ですが、合唱コンクール
 を始めとする全ての行事は、普段の生活がきちんと指導されているかが大事だと思います。
 私が本校に配属されてから5年半が過ぎました。当時、どこの学校でも厳しい環境にありました。
 本校も例外ではありませんでした。でも学校長をはじめ多くの仲間と共に頑張ってきたこと。また、
 保護者や地域が学校をしっかり支えていただいたことなどがあってこのような「感動を喚起する
 合唱」ができたのではないかと思っています。改めて生徒一人一人の素晴らしさを実感しました。
 それと同時に恵まれた環境の中で音楽教師として生徒と一緒に感動を味わえることの幸せを再認識し
 ました。
 また、奮闘努力を続けてきた本校職員を思いますと感涙に噎ぶ思いです。

                                                     
 本当に有り難うございました。   熊 谷 俊 彦
  


大勢の保護者を迎えて 悩まされました


 おわりに
  先日、熊谷先生が今回の資料を届けにこられた。生徒達のその後の様子を伺った。3年生は”自分達の歌で
 飾る思い出の卒業式にしよう・・・”という強い意気込みで選曲に入っている。2年生は翌日から朝の学級活動の
 ときから 発声練習をはじめたとか。1年生は先輩たちの素晴らしい歌声を聴いてからは今まで以上に目に輝き
 が感じられるようになったと・・・。
 すでに、伝統は確実に引き継がれていることを感じる。これまでに伝統を築き上げられてこられた先生方のご努
 力や生徒諸君の頑張り、そして、保護者・地域の力が一体となった感動の瞬間を共有できたことに心から感謝と
 御礼を申し上げます。
 今、中教審では、中学校における音楽科の授業時数がとっても厳しい状況にあると聞く。一方、心の問題が叫
 ばれている今日、中教審の先生方・・・!!。是非、村上東中学校生徒達の心のハーモニーを聴いてほしいと
 切に願うジジであります。
                                          素晴らしい感動をありがとうございました。  


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