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平成16年度日本教育音楽協会研究協力校公開研究会
研究主題 感じ合い つくり合う豊かな音楽〜小中連携の学びの中で〜
(研究概要・小中連携授業から) その1


実践校
・白井市教育委員会小中連携(教育課程)研究指定 平成15・16・17年度
・日本教育音楽協会研究協力校指定平成16年度
千葉県白井市立桜台小学校
校長 高橋利幸    
〒270-1412千葉県白井市桜台3丁目28番 рO47(492)7011
メールアドレス sakuradaisho@e-shiroi.jp

■ジジからのメッセージ■
千葉県白井市立桜台小学校で6月23日に公開研究会が開催されました。
桜台小では、すでに2年前から行事(集会)による連携。小中吹奏楽部活動の連携。さらには、地域との連携(プロミナード・ピクニック・ジョイントの各コンサート)など多様な実践が積極的になされていました。公開研究会では、今までの実績のうえに、特に授業での交流や連携に一歩踏み込んだ内容で展開されました。
研究の足跡が分かるように、数回に分けて紹介します。
これらの実践が熱心な先生方による全校体制で取り組まれていることがなによりも大変素晴らしいと思いました。

公開風景から
最後まで熱心な研究全体会 みんな生き生き"楽しいね” 小中合同で見事なハーモニー"大地賛頌"


研究の概要

1.桜台小学校・桜台中学校の様子
1.桜台小学校・桜台中学校の様子
桜台小学校・桜台中学校は、平成6年に、「オープンスクール」「コミュニティスクール」「ゆとりと魅力のある学校環境づくり」をコンセプトとして、千葉ニュータウン内の白井市桜台地区に、同時に開校した。小中の校舎は隣接しており、2階通路でつながっている。校庭・体育館などはそれぞれに設置されているが、3つの音楽室は共用となっており、中学校棟に設置されている。各音楽室は、扉1枚でつながっているので、中学校の音楽の授業や合唱練習・部活動の練習の様子が自然と小学生の耳に入ってくる。
普通教室は、小・中学校ともにオープンスペースとなっており、各学年のフロア―が、4つの教室に仕切られている。小・中学校ともに3〜4クラスの学級数があり、桜台小学校の子ども達が、そのまま桜台中学校に進級するため、桜台中学校の生徒は桜台小学校からの生徒が大部分を占めている。


2.音楽科全体研究構想




熱心な研究全体会・指導案検討から
先生方の熱心な取り組のパワーにいつも圧倒されました。


■音楽科の具体的な取り組み

1.4つの柱
次の4点について研究を進めています。

★<感じ合う場、つくり合う場の設定>
効果的な「感じ合う場面」「つくり合う場面」を設定するための学習過程のあり方。

★ <9年間の学びを見通した学習活動の展開>

9年間を見通し「身に付ける力」の精選とその系統性について再考し、
また、連携を視野にいれた年間指導計画の作成。

★ <小・中連携の学習活動>

小学校(高学年)と中学校が合同で行う豊かな学びを育むために、よりよい連携のあり方。

★<異学年交流の学習活動>

異学年交流のよりよい学習活動のあり方。


2、学習の流れ

過程 主な学習内容
リラックス ♪気持ちを開放し、音楽の学習への心の準備をする。
♪既習曲を歌ったりしてのどを広げ、声出しをする。
♪一緒に歌うことにより、教室の仲間と心をひとつにする。
♪今日の学習に関わる基礎基本のトレーニングをする。
学ぶ ♪今日の学習のめあてをはっきりとさせる。
♪表記上の注意事項や発声の仕方などの基礎・基本となる歌い方を学ぶ。
♪今日の学習のめあてに関わる範唱や資料を見たり聴いたりして、学習への意欲を高める。
広げる ♪グループ活動などを通して、互いに歌のイメージをつくり合い、歌を仕上げていく。
♪互いの歌を聴き合い、より良い歌声で歌えるように歌を仕上げていく。
♪曲や詞の感じから、歌い方やパート・楽器の編制を工夫して、歌を仕上げていく。
感じ合う ♪グループごとにつくり上げた歌声を互いに聴き合い、そのよさを感じ合う。
♪グループごとにつくり上げた歌声を発表し、問題点を出し合い、さらに良いものにしようとする。
♪グループごとにつくり上げた歌声をひとつにして完成させ、成就感を味わう。
♪完成度の高い歌声をみんなでつくり上げることで感動体験を味わう。

学習の姿から
     


3.小中連携の学習活動
桜台小学校・中学校では、小学生と中学生が合同で学習に取り組む「小中連携の学習活動」を実施している。
小学校の高学年と中学生が実施しており、望ましい連携の形を模索中である。連携を通して、小学生と中学生がともに豊かな音楽を感じ合い、つくり合うことができるように、学習活動を設定している。
小学校・中学校が連携することで知識や技能の伝達がおこなわれるだけでなく、音楽に対する姿勢や音楽を愛する心の伝達がおこなわれる。その中で、小学生・中学生の双方の成長が期待される。
小中連携における小学生・中学生におけるメリットあげてみると、

<小学生のメリット>
@ 中学生と一緒に活動することにより、より高度な知識や技能を個別指導に近い形で伝達されることができる。
A 音楽に対する姿勢や音楽を愛する心など、中学生が学ぶ姿から影響を受け、身につけることができる。
B 小学生だけでは作り出すことのできない美しい豊かな音楽の中で、感動体験を得ることができる。

<中学生のメリット>
@ 小学生に伝えるために今まで自分が学習してきた内容を振り返り、より確実なものとすることができる。
A 小学生に伝えるために、だれもがリーダーとなり、主体的に活動することができる。
B 主体的な活動の中で、自分達で合唱曲をつくりあげる喜びを味わうことができる
C 自分達で合唱曲をつくりあげる過程で注意深く聴く耳を育てることができる。
D 小学生との音楽活動を通して、温かい人間関係を築くことができる。

 これらの小中合同学習のメリットが十分に生かされる学習活動を展開していきたい。


授業風景から



■小・中学校連携授業実践から

小学校第6学年1組 音楽科学習指導案
中学校第3学年A組 音楽科学習指導案
活動場所 第1、第2、第3音楽室
指導者 T1島村 順子 (小学校音楽専科)
T2兼松 英理子(中学校音楽担当)
T3大重 るみ (6年1組担任)

1.題材名  「日本をうたおう −美しい情景を思いうかべて−」

2.題材について
本校では、研究主題「感じ合い つくり合う 豊かな音楽」サブテーマ"小中連携の学びの中で"を受け、音楽科では「音楽を親しみ、豊かに表現できる子どもの育成」を目指し研究をしてきた。特に、小中の学びの連続性を大切にし、中学年では自然でのびやかな発声、高学年では和声の美しい響き、中学校では小学校で培った力を生かして混声合唱の持つ響きの美しさを感じとらせることをめざし、9年間を見通した学習活動を進めている。
また、小学生・中学生が共に学びあい、共感しあう場面を多く設定することにより、『豊かな表現』『豊かな心』が育つようにと考えている。
特に本題材では、指導計画の中に4時間の合同学習場面を設定している。小中歌声集会での発表に向けて、小学生と中学生がともに学びあう中で、混声四部合唱の美しいハーモニーを響かせ、日本のふるさとの美しい情景を思いうかべながら、曲想豊かに合唱を楽しんでほしいと考え、この題材を設定した。
6年1組の児童は、歌うことが大好きである。音楽の時間以外でも、教室の何気ない場面で子ども達の自然な歌声が聞こえる。また、5年生から継続して中学生との学習の場面を経験していることで、美しい歌声で歌うことができる。
小学生にとって中学生とともに学ぶことは、自分達だけでは経験できない混声四部合唱の響きの中で歌うこととなる。この経験の中で、重厚な低音部との響きあいを感じとり、より完成度の高い合唱曲をつくり上げる感動体験を味わわせたい。また、グループでの活動の中で、中学生から伝えられる正しい発声や和声感のとり方を身につけさせたい。さらに、曲想を共通理解して、積極的に表現する過程に参加することにより、曲想をつかみ、合唱曲を完成させる喜びを味わわせたい。さらに、二次で学習したことを生かして三次では、自分達だけでの合唱づくりに取り組ませたい。
3年A組は真剣で前向きに学習に取り組むことのできる、落ち着いた学級である。歌声活動においても、仲間で協力しながら目的意識を持って練習に取り組むことができる。「女声パートの発声について」「男声パートの発声について」という課題を自分たちで十分に意識し、課題達成のために努力することができる。
中学生にとって小学生とともに学ぶことは、今まで自分達が身につけてきた学習内容を明確にし、振り返ることになる。「伝える」ためには、グループ中で「聴き合う→気づく→伝える」という活動を繰り返す必要がある。その中で「曲想やハーモニーを聴きわける確かな耳」「正しい発声の歌声」「曲想をとらえた合唱曲作り」を確実に身につけさせたい。
小学生の「素直な姿勢」に答え、9年間培ってきた力を出し切ってそれを伝えてほしい。また、小学生と一緒に一曲の合唱曲をつくりあげる過程で、暖かい人間関係を作り、「思い」を分かち合える仲間との合唱による感動体験を味わわせたい。
本題材では、6年生の担任と小中の音楽専科が協力して学習を進めていく。グループの活動では、3人の教師が異なった視点で指導できるようにしていきたい。

3.教材について
「夢の世界を」 作詞・芙龍明子  作曲・橋本祥路  ハ長調 8分の6拍子
AA'BB'による二部形式
中学生においては、合唱曲として1年生の5月で習う曲である。小学生においては、授業・校外学習等で使用する副教材「みんなのうた」に入っており、今月の歌・合唱祭で歌われる曲なので何となく耳になじんでおり、人気曲の1つである。前半の斉唱から後半の盛り上がり三部合唱へとハーモニーが流れているので、合唱の良さを体感しやすい。同声二部の経験しか持たない小学生に混声三部を体験させることにより、響きの違いを体感させ合唱の魅力・豊かな響きを味わわせ表現力をつけさせたい。
「ふるさと」 文部省唱歌  
ヘ長調 4分の3拍子
A(aa')・B(ba'')の二部形式
昔から広く人々に歌い継がれた曲である。今回は混声四部のバージョンで取り組んでおり、小学生はアルト・ソプラノ部分に参加している。歌詞や旋律から情景や心情を味わうのに適した曲である。文語に近い言葉なので、意味を十分に理解し、美しいふるさとの情景を思い浮かべながら、合唱を楽しませたい。4声がそれぞれ美しく絡み合っているため、呼吸・姿勢・響き・発声に気をつけて歌うことで、声が響きあい、美しさを感じやすい教材である。
「われは海の子」 文部省唱歌
ニ長調(原曲は変ホ長調) 
4分の4拍子
A(ab)・B(cd)の二部形式の曲
海の情景を想像してのびのびと歌えるこの曲は、長い間人々に親しまれ、歌い継がれてきた。文語体の歌詞なので語句の意味をよく理解して歌わせるようにしたい。またABともに低い音から徐々に高まり、大きな起伏をつくる旋律が特徴的であるため、フレーズの頂点に向かって自然に高まり、終止に向かって自然に落ち着く旋律にふさわしい強弱表現にも心がけさせたい。
鑑賞曲 「山田耕筰の歌曲」
山田耕筰の歌曲を鑑賞することにより、いろいろな演奏形態による声の響きの美しさや違いを味わい、さらには楽曲の情景や心情を想像させ「ふるさと」へとつなげていく。
*「赤とんぼ」・・・歌詞の表す情景をよく理解させ、美しい旋律に込められた心情を共感的に味わって聴き取らせたい。
*「この道」・・・・幼い日の母との思い出を、懐かしさを込めて温かく歌い上げた曲の味わいと、それを支える歌唱表現の美しさを聴き取らせたい。
*「待ちぼうけ」・・1節ごとにおもしろい物語が生き生きと展開していく様子を聴き取らせたい。

「花」
日本語の美しい響きをもつ歌詞が四季折々の自然が美しい日本の風景を思い浮かべさせてくれる作品である。詞と旋律の結びつきが大変効果的で、春の情景を詞と旋律で見事に表現している。また、二部合唱の響きも大変豊かで、響きのある歌声をつくろうと意識して学習した場合に練習の成果が現れやすい作品である。詞と旋律の調和のとれたうつくしさ、二部合唱の響きの豊かさをぜひ、中学生に味わわせたいと思い、本教材を選択した。



4.題材の目標

○ 詞から情景を思いうかべ、心をひとつにして表現するこができる。
○ 各声部の役割を大切にして、混声四部の響きを楽しむことができる。 (小学6年生)
・ 中学3年生とともに活動することで、思いを分かち合い、進んで表現しようとしている。(ア)
・ ふるさとの情景を想像しながら、豊かに表現することができる。(イ)
・ 明るい伸びやかな声で自分のパートをしっかりと歌い、合唱に参加することができる。(ウ)
・ ふるさとの情景を思いうかべながら、曲のよさや美しさを感じ取ることができる。(エ)
(中学3年生)
・ 自分たちが学んできたことを伝えながら、思いを分かち合い、進んで表現しようとしている。(ア)
・ 歌詞や旋律から情景や心情を感じ取ったりして曲想表現を工夫することができる。(イ)
・ 無理のない美しい声で自分のパートをしっかりと歌い、合唱に参加することができる。(ウ)
・ 曲想を感じ取り、歌曲のよさや美しさを感じ取ることができる。(エ)

5.題材の計画

    小学6年生(総時数9時間) 中学3年生(総時数6時間)
第1次 ねらい (小6)
歌詞や旋律から情景や心情を味わって鑑賞したり表現したりすることができる。
曲想を理解し、気持ちをこめて歌うことができる。
(中3)詞や曲から情景をイメージし、季節感を味わいながら合唱することができる。
響きのある歌声を工夫し、美しい二部合唱を響かせることができる。
第1時 ○山田耕筰について理解する。
・ どのような作曲家であったかを知る。
○「赤とんぼ」を鑑賞する。
○「赤とんぼ」の歌を歌う。
○「花」を歌い、春の情景を思いうかべる。
○ 歌詞を朗読し、日本語のもつ美しい響きや抑揚に気づかせる。
○ 合唱し、歌詞と旋律の効果的な結びつきを感じ取らせる。
○ 四季や季節感を表現した曲を探し、発表しあう。
第2時 ○「この道」と「待ちぼうけ」を鑑賞する。・歌詞と旋律を味わって聴く。
○「ふるさと」を鑑賞する。
○「赤とんぼ」の歌を歌う。
第3時 ○「ふるさと」の主旋律を歌う。
○ソプラノ・アルトパートの練習をする。
○「ふるさと」を2部合唱する。
○「赤とんぼ」を歌う。
○ 速度や強弱などの諸記号と、歌詞の表す内容とのかかわり合いを理解し、曲想生かした表現を工夫する。
○ 「花」を合唱し、響きのある歌声を工夫する。
第 2 次 ねらい (小6)
混声四部合唱に参加し、歌声を美しく響かせることができる。
歌詞の情景や曲想を大切にして、気持ちを込めて合唱することができる。
(中3) 詞の持つ情景を味わい共感しながら、曲想を生かした表現の工夫をすることができる。
豊かで美しい響きを工夫しながら各声部の役割を生かした混声四部合唱をすることができる。
第4時 ○お互いの既習曲を歌い合い、歌のプレゼントをする。 (中学生からは「花」・小学生からは「赤とんぼ」)
○音程に気をつけて「ふるさと」のパート練習をする。

(小)中学生の姿勢・発声の仕方をよく見て歌いましょう。
(中)正しい姿勢・発声を確認しながら歌いましょう。
第5時 ○既習曲「夢の世界を」(混声三部合唱)を歌う。
○ 本時のめあてを確認する

(小)他のパートの響きを感じながら正しい音程で歌いましょう。
(中)合唱の問題点を修正しながら美しい合唱を響かせましょう。

○「ふるさと」(混声四部)のグループ練習をする。
○全員で「ふるさと」の合唱をする。
第6時 ○既習曲「夢の世界を」(混声三部合唱)を歌う。
○ 本時のめあてを確認する。

「ふるさと」の詞からイメージを感じ取り、表現するには、どのような工夫をすればよいか考えましょう。

○「ふるさと」(混声四部)のグループ練習をする。
○各グループで工夫した「ふるさと」を発表する。
○各グループの発表の中での、相違点を確認し、共通の感じ方を話し合う。
○全員で「ふるさと」の合唱をする。
第7時 ○本時の展開参照
第  3  次 ねらい (小6)第2次で学習したことを生かして、曲想をとらえ合唱曲を仕上げることができる。
第8時 ○「われは海の子」を斉唱する。
○ ソプラノ・アルトパートの練習をする。
○「われは海の子」を合唱する。
○グループにわかれて二部合唱を練習する。
第9時 ○グループごとに詞から曲想を感じ取って歌い方の工夫をし、合唱曲を仕上げる。
○全員で「われは海の子」を合唱する。

(小学6年生)
ア関心・意欲・態度 イ音楽的な感受や表現の工夫 ウ表現の技能 エ鑑賞の能力
内容のまとまりごとの評価規準 歌唱
器楽      
創作      
鑑賞
題材の評価基準 思いを分かち合い、進んで表現しようとしている。 ふるさとの情景を想像しながら、豊かに表現することができる。 曲想に合う発声の仕方を考え、歌うことができる。 ふるさとの情景を思いうかべながら、曲のよさや美しさを感じ取ることができる。
具体的な評価基準 声質の違う中学生との合唱を楽しんでいる。 グループ活動の中で詞の情景を感じ取りながら、表現を工夫している。 明るい伸びやかな声で自分のパートをしっかりと歌い、合唱に参加することができる。 詞と旋律を味わって聴き、ワークシートに感想を書くことができる。

(中学3年生)
    ア関心・意欲・態度 イ音楽的な感受や表現の工夫 ウ表現の技能 エ鑑賞の能力
内容のまとまりごとの評価規準 歌唱
器楽      
創作      
鑑賞
題材の評価基準 自分たちが学んできたことを伝えながら、思いを分かち合い、進んで表現しようとしている。 歌詞や旋律から情景や心情を感じ取ったりして曲想表現を工夫することができる。 曲想に合う発声の仕方を考え、歌うことができる。 曲想を感じ取り、歌曲のよさや美しさを感じ取ることができる。
具体的な評価基準 学んできたことを積極的に伝えながら混声四部合唱を楽しんでいる。 グループ活動の中で、曲想を考えながら、表現を工夫している。 無理のない美しい声で自分のパートをしっかりと歌い、合唱に参加することができる。 詞と旋律を味わって聴き、ワークシートに感想を書くことができる。

6.本時の学習
(1) 本時の目標 (共通) 美しい響き合いを感じながら、豊かな表現の工夫をすることができる。
(小)詞から情景を思い浮かべ、それに合った表現を工夫することができる。
(中)詞から曲想を感じ取り、表現を工夫することができる。

7.本時の学習
(1) 本時の目標 
(共通) 美しい響き合いを感じながら、豊かな表現の工夫をすることができる。
(小)詞から情景を思い浮かべ、それに合った表現を工夫することができる。
(中)詞から曲想を感じ取り、表現を工夫することができる。

(2)展開

過程 学習活動と内容 支援○と評価☆
リラックス5分 1 「夢の世界を」歌う。(第2音楽室)・小学6年は中学3年を迎える気持ちで「夢の世界を」1番を歌う。(指揮は小学生)・中3年は、自分たちの美しい歌声を伝える気持ちで「夢の世界を」2番を歌う。(指揮は中学生)・全員で心を合わせて「夢の世界を」の1番を歌う ○入場とともに曲を流して、合唱への意識づけができるようにさせる。T1 
○豊かな表現で歌えるように、教師が指揮をする。T3
☆心をひとつにして美しいハーモニーがつくれたか。(歌声・姿勢・表情から)
学ぶ5分 2 今日のめあてを確認する。
ふるさとの情景を思いうかべ、曲想を工夫して歌いましょう。
3 詞にふさわしい歌い方をするにはどのようなことに気をつけたらよいか、確認する。 ・1番・2番・3番の歌い方の違いを工夫します。 ・3番の盛り上げ方を工夫します。 ○前時に書き込んだ歌詞を提示し、確認できるようにさせる。T1 (資料1)
広げる25分 4 前時の話し合いに沿って、4つのグループに分かれて表現を工夫しながら混声四部の練習をする。   ☆ 曲の感じ方や練習方法について自分の考えを述べ、表現の工夫に生かすことができたか。(グループ活動の観察から)
1グループ(第1音楽室)
小学生・中学生ともに、うちとけた様子で、しっかりとした声で歌うことができる。リーダーはとても積極的で、メンバーの意見を引き出そうと努力している。
二番の歌い方の工夫  重唱→全員
 
ソプラノ
アルト
テノール  
バス  
2グループ(第1音楽室前ホール)
和やかにまとまっており、良い雰囲気で練習を進めている。ハーモニーはまだ完成されているとは言えない。リーダーには具体的な指示を出してほしい。
二番の歌い方の工夫  中学生とハミングの小学生→全員
 
ソプラノ
アルト
テノール  
バス  
3グループ(第2音楽室)
全体的に音量があり、特にバスが美しい声である。テノールも音程がしっかりしており、低音部がしっかり支えている。小学生の数名は良い声が出せる。
二番の歌い方の工夫  全員
 
ソプラノ
アルト
テノール  
バス  
4グループ(第3音楽室)
全体的な4つの音のバランスは良いが、もう少し音量がほしい。低音部については、時々音程が不安定になるが、積極的に取り組んでいる。リーダーは積極的に指示を出してほしい。
二番の歌い方の工夫  小学生→重唱→中学生→全員
 
ソプラノ
アルト
テノール  
バス  
<練習の流れ>
@ 通して歌い、音の響き合いの感覚をつかませる。
A 具体的な表現の工夫について話し合う。
B 話し合った内容をもとに部分練習をする。
C 学習したことを生かして、3番まで通して歌う。
「志を」からは、強い決意が現れるように、力強く歌いたいです。 故郷の人々を思い出しながら、しみじみと歌いたい所です。
「忘れがたき」は思いを込めてていねいに歌いましょう。
○ 3人の教師の役割を明確にして、的確な援助ができるようにする。<T3>各グループの練習方法やめあてについてアドバイスをする。<T2> 1と2のグループについて、詞から思い浮かべたイメージを歌声であらわすためのアドバイスをする。<T1> 3と4のグループについて詞から思い浮かべたイメージを歌声であらわすためのアドバイスをする。