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「音楽科特別講座」から
主催 音楽教育推進協議会"関東甲信越21世紀の会"



講評 川池  聡先生

全体講演 小原 光一先生

全体合唱 大塚 正夫先生
第11期・後期『音楽科特別講座』報告

過去2回の実技講座の実施を踏まえ、より明瞭で実践的な内容のワークショップをはじめ、日々の授業実践発表と指導講評・講演などのプログラムでした。講師の先生方と受講生との暖かい雰囲気の中でとても有益な内容でした。その概要を紹介します。

■期日  平成16年2月21日(土)〜22日(日)
■会場  東京都品川区立立会小学校
■主催  音楽教育推進協議会"関東甲信越21世紀の会"
■協力  全日本学校音楽研究会
■協賛  ヤマハ株式会社
■講師  小原 光一(元文部省初等中等教育局教科調査官・視学官)
       川池  聡(元鳥取大学教授)
       真鍋 純一(町田市立忠生中学校教諭)
       他 全日本学校音楽研究会講師

□研修内容 
  一日目  実践発表・講評  ワークショップ
  二日目  ワークショップ  講演

□ 実践発表
  【小学校】
  子供がつくる「ルーブリック」による評価と指導
  発表者  山梨大学教育人間科学部附属小学校 深澤 啓太郎
  【中学校】
  音楽が(分かる)事と(表現)する事の関連性を重視した授業の工夫
  発表者  山梨大学教育人間科学部附属小学校 薬袋 貴

□講評  
   川池 聡先生(元鳥取大学教授)

□全体講演
  〜 これからの音楽教育をどう進めるか 〜
  講師 小原 光一先生(元文部省初等中等教育局教科調査官・視学官)

●受講スケッチ <実技選択講座> ワークショップから


■ これぞ授業の基礎基本(教育機器を効果的に活用して) ■
講師  加藤 幸平先生


差し込んでキュッとひねると抜けません

曜日カードとリズム譜で楽しく学びます。

ハンドサインで集中力アップ

"チョットの工夫で子供も先生も楽しい授業になります。"
「愛鳥家のためのリコーダー曲集から"ムク鳥のための古歌"をソプラニーノリコーダー で見事に演奏され拍手喝采。さすが中学時代のオーボエのテクニックが光っています。
 教科書教材で平易でしかも効果的な美しいオブリガートをよく使われます。その内容は ホームページ「ヤマハ ミュジックパル」の"合わせよう教材"の中にもあります。その他は先生のオリジナル作品です。これも大学で作曲を専攻されたと聞き納得。いずれもチョットした工夫で楽しい学習が展開できる内容でした。
豊富なアイディアと巧みな話術で指導の基礎基本を的確に押さえた内容でした。ユーモアたっぷりでいつも笑いが絶えない楽しい講座です。


■ リコーダー・ピアニカ 指導のポイント  ■
講師  珠玖加奈子先生


喉に力が入っていませんか


山田先生との二重奏素敵なアンサンブル


きれいな音色で吹ける音は
一つだけで良いのです

間違った奏法を身につけてしまうと、後で修正することは大変難しいこと。初めてリコーダーを持つ子供たちへの指導は重要である。ピアニカ指導において何が大事か?そして、吹いて音を出す楽器の奏法を正しく理解することの大事さを改めて分かりました。
きれいな音を(例えば「シ」一音だけでよい)子供に聴かせてください。全曲吹かなくて良いです。また、きたない音などと比較するのも効果的です。要は子供にとってどんな音がよい音なのかを気づくことが大切です。
■感想■
珠玖先生のピアニカの音色が柔らかく美しい音色に・・・。まるでアコーディオンのようでした。先生の音を聴いた後の私達の音色もすぐに変わり感動しました。


■ 指揮のテクニック!(豊かな表現を目指して) ■
講師  笹森敏明先生


指揮の一歩は正しい姿勢と素敵な笑顔

終了後も質問がいっぱい

腕に力が入っていませんか?

■感想■
〈経験2年目〉
卒業式では何とか音楽専科として形になる指揮をしたいと思い、ちょっとした危機感を感じながら受講しました。まず笹森先生がおっしゃったことは『指揮なんて簡単ですから!』という言葉でした。講義の終わりの頃には指揮に対する思いが大きく変わりました。 指揮のテクニックはもちろん重要ですが、それと同じように演奏する立場にたって指揮をすることが大切であると知りました。これからは、今までよりも堂々と楽しくできそうな気持ちでいます。


〈専科20数年経験〉
無駄な動きが多い、指揮が大きすぎる,打点がたくさんあって見づらい・・。気になりながらの自己流でやってきた自分にとって、この講座はとても有益でした。「演奏者にとってどんな指揮をしてほしいですか!。」ドキッとする質問でした。


■ 教科書教材の工夫と効果(管楽器を取り入れて) ■
講師  小池伸幸先生


まずはA3紙を直径
2センチに丸め唇の振動から G管に近い?

マウスピースの先に袋をつくって


チューニングスライドを抜いて・・・


・ 音楽室に眠っている管楽器を効果的に活用できたら
・ クラスの中にブラスバンド部員がいたら・・・。
授業で管楽器を簡単に導入できる方法や管楽器の鳴らし方の基礎編を一人一人丁寧に教えていただきました。簡単に音が出る一つの方法として、紙筒からマウスピースでのバディング。そしてチューニングスライドを抜いて、次は片方だけ(上部)更に下部も・・・。といった具合に練習すると思ったより簡単に音が出ます。根音奏なら初心者でも直ぐです。未経験者も講座の終わりにはアンサンブルに参加し、全体合唱の伴奏ができました。


■ クラスのための声づくりとアイディア合唱 ■
講師  真鍋淳一先生

□真鍋先生からのメッセージ□

 今だからこそ私たちが現状を把握し、音楽の授業を積極的に工夫改善していかなければなりません。
音楽の授業をもっとやりたいという児童・生徒が増えることを願いつつ短い時間で、
楽しく合唱するためのアイディアをできるだけ挙げてみたいと思います。


アイディア豊富な話しにただただ驚きです

先生の情熱に陶酔してしまいました

手をつないでの「ケ・サラ」最高でした

■感想■

●真鍋先生の人柄に惚れました。先生の身体全体から音楽に対する情熱が感じられ、生徒の変容をみのがさず、認めながら伸ばそうとする姿勢、アイディアをたくさん書き込んだ手帳。"音楽室に入る時に、自分の顔はにこやかになっていますか、授業で勝負。"

●3つのことば「・あせらない・おこらない・あきらめない」わかっていることだが・・。

●となりの先生方と手漕ぎボートの櫓をこぐように波を作って歌った「ケ・サラ」は感動的でした。歌詞の中で"けっして"と "きっと"の"「っ」の表現の仕方は何度も練習しました。この曲にしかない歌詞に込められた自分の思いを表現、発音、強弱、声の音色等を通して表現し、つくり上げていくことの素晴らしい過程を体験することができました。音楽教師であることの喜びを実感し幸せでした。

●今の時代男子と女子が抵抗もなく手をつなぐことの大切さ、誰とでも仲良く手をつないで共にひとつの音楽をみんなで作り上げようとするところに感動しました。


■ シベリウス ■ 

□ やってみない?シベリウス(初級) □
講師  角田昌直先生


インストラクターの方も
一緒に考えてくださいました

角田先生は絶対に見捨てはしませんでした


"なーるほど""ビックリだね"



□ 極める!シベリウス2(中・上級) □
講師  関岡俊晴先生


かなり進んでいますね

シベリウスを知り尽くした関岡先生です

なかなかいいですね その調子で

■感想■
【気に入ったところ】

●楽譜の設定が簡単

● テンキーの入力が簡単で速い

●間違った打ち込みをしないで済む・・・・4拍子なのに1小節内に4.5拍入ってしまうような事

●音楽記号が思ったところに記譜される

●いろいろな曲に対応した編曲が瞬時にでき、楽器に応じた音域に合わせて指示してくれる。(演奏不可能な音は赤で表示される)

●ワープロ機能が充実していてドリルやテスト問題、学習シート作りに便利
●各段ごとに小節数が簡単に対応できる

●スキャナーで取り組めるところが何しろ良い。・・・今までは楽譜を全部打ってパート練習用のフロッピーを作っていましたから、これは助かる。

●歌詞が音符に一致して書き込める。

●既成のものだけでなく任意の楽器編成で編曲できるところがいい。



■講評・全体講演・全体合唱■

■感想■

●川池先生はいつもとてもわかりやすく講義をしてくださいます。「指導と評価」の本の内容もとっても勉強になりました。

「ゆず」のライブ映像は2人の若者と観客が総立ちになって音楽に酔いしれている姿を映し出しました。その熱狂的な映像に受講生と川池先生は陶酔し、一緒に感動を共有し感涙の一時を過ごしました。その後、川池先生が"こんなに素晴らしい音楽家とその素晴らしさを感じられる若者を育てられたのは、先生方なのですよ・・・。"と、おっしゃり、先生の言葉に勇気をいただきました。

小原先生は"今、私達がやらなければならないこと"をおだやかな話し方の中にも、 端的にしかも鋭い指摘をされながら話されました。モヤモヤしたものが吹っ切れました。

時数縮減のなか、基礎基本に徹した授業をする。必要以上なハイレベルな指導はしない。

「楽しい」=「豊かさ」。豊かさのある音楽活動を追求してほしい。

平易な教材にも、豊かな音楽性はたくさん含んでいる。その教材性を見抜く教師の眼・ 過渡と思われる感覚面の重視が気になります。極論すると音階もピッチもとれない状況で、豊かな表現が期待できるのだろうか。

これだけは絶対に身に付けさせる不易な部分を教えることに、ためらわない。いい加減なところで妥協しない。このことが、真の力がつくことにつながり、生涯にわたって音楽を愛好する心情を育てることにつながる。

大塚先生の指揮での全体合唱は、いつも〔5回目の参加です〕和やかで心が開放され、とっても良い気分で歌っています。



■ 講座の成果を発表した閉講式 ■


■感想■

●講師の先生が大変熱心で、内容も即授業で活用できるもので大変有益なすばらしい講座でした。

●シベリウスを受講しながら、ピアニカの楽しそうな音が聞こえてきました。他にも魅力的なコースがあるのがわかっていても受けられないのが本当に残念でした。

●どの講座も受けたいものばかりでした。

●講師の先生方をはじめ研修会全体の雰囲気がとっても温かく感じられました。夏の講座も是非参加します。

 今回はアンケートから掲載しました 


まとめ


今回も北は秋田、南は福岡から多数の参加をいただきました。また、会場校として今回も星野 豊校長先生〔21世紀の会推進委員〕のご好意と品川区教育委員会のご理解ご支援により品川区立立会小学校で開催させていただきました。
指導力や専門性の向上が一層求められている今日。明日の子ども達のために、真の楽しさを実感できる音楽授業を目指して頑張りましょう。

■次回■   

平成16年8月23日(月)・24日(火)
品川区総合区民会館「きゅりあん」

*詳細はこのホームページでも4月中旬位にアップ予定。
           
*追伸  立会小学校のホームページ