中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会
        
            音楽科、芸術科(音楽)の現状と課題、改善の方向性(検討素案)
                  
〜 「いじめ」や「高校の必修逃れ問題」
                            今こそ 音楽科の重要性を 〜
                      
                                  
                                  (第44回(第3期第30回))議事録・配布資料から
ジジからのメッセージ
 中教審「初等中等教育分科会教育課程部会」審議経過報告がだされ、豊かな感性と絡めて音楽科への期待が述べられている。
「教育再生会議」(野衣良治座長)も10月18日に第1回の会議が開催された。安倍首相が官邸主導の「公教育改革」を掲げ、主導の狙いは「「美しい国」を造る上での基盤は教育だ。志ある国民を育て、品格ある国家、社会をつくっていかなければならない」。また、「学力の低下や社会規範の欠如なども問題」についても首相は強い思いがあったと聞く。
 今回は中教審教育課程部会(第44回(第3期第30回))「10月16日」の議事録・配布資料を紹介します。

音楽科、芸術科(音楽)の現状と課題、改善の方向性(検討素案)

【現状と課題】
1、現状
 ○ 音楽科、芸術科(音楽)のねらいは、表現及び鑑賞にかかわる幅広い活動を通して、音楽を愛好する
  心情と音楽に対する感性を育て、音楽活動の基礎的な能力を伸ばし、豊かな情操を養うこと。

 ○ このねらいを実現するため、内容は小・中・高等学校を通じて「A表現」と「B鑑賞」で構成。
  「A表現」は、
  ・小学校と中学校では、「歌唱」「器楽」「創作」から成るが、個々の指導事項は小・中学校で示し方が異
   なる。
  ・高等学校では「歌唱」「器楽」「創作」の3分野で構成。

2、課題
  ○ 感性を高め、思考・判断し、表現する一連のプロセスを働かせる力、生涯にわたって音楽に親しみ、
   芸術文化のよさを味わったり、生活や社会に生かしたり豊かにしたりする態度の育成が求められてい
    る。
  ○ 音楽を表現する技能と鑑賞する能力の育成においては、児童生徒が、音や音楽を知覚し、感性を働
   かせて感受(感じ取り)することを重視することが求められている。

  ○ 歌唱の活動に偏る傾向があり、表現の他の分野と鑑賞の学習が十分でない状況が見受けられる。
   特に、創作と鑑賞の充実が求められている。

  ○ 我が国の音楽文化に愛着をもち、他国の文化を尊重できる態度等を養うため、長く歌い継がれ親し
   まれてきた日本のうたや、和楽器などの伝統音楽の学習の充実が求められている。

1、目標について
目標については、次のような視点を重視して改善を図ってはどうか。
・表現や鑑賞の活動を通して、感性を働かせて音や音楽を感じ取り、思いや意図をもって表現したり
 味わって聴いたりする力を育成し、豊かな情操を一層養う。
・多様な音楽及び音楽と生活とのかかわりに関心をもち、生涯にわたって音楽文化に親しむ態度を
 育てる。

2、豊かな感性や情操を育てるための内容の改善について
・すべての音楽活動の支えとなる指導内容を{共通事項}として示し、感性を働かせて音や音楽を感
 じ取り、思考・判断する力の育成を一層重視する。
・歌唱・器楽・創作、鑑賞ごとに指導内容を示すとともに、創作については、学校・学年段階に応じ、
 音を音楽へと構成していく過程を大切にする観点から「音楽づくり」(小学校)、「作曲」(中学校・高
 等学校)の学習として示す。

例)小学校:表現領域(「歌唱」、「器楽」、「音楽づくり」の三分野)、鑑賞領域及び{共通事項}で内容構成
   を示してはどうか。
   
   中学校:表現領域(「歌唱」、「器楽」、「作曲」の三分野)、鑑賞領域及び{共通事項}で内容構成を示
   してはどうか。

 ※[共通事項]のイメージ
  ・音楽を形づくっているさまざまな要素(例えば、リズム、旋律、強弱、速度、音の重なりなど)の働きが
   生み出す雰囲気やよさを感じ取ること
  ・音楽に関する記号や用語を音楽活動と関連付けながら理解することなど

【改善の方向性】

3,音楽と生活とのかかわりについて
 音によるコミュニケーションを通して、生活や社会と豊かにかかわる態度をはぐくみ、生活を明るく潤いのあるものにする音楽の役割を実感させるような指導を重視してはどうか。

(例)小学校:児童の生活や身の回りの中にある音に着目し、音探しや音の探求を行ったり、音遊び等を
   通じて音に親しんだり音楽につなげていったりするよう内容を発達に応じて示してはどうか。
   
   中学校:音環境への関心を高め、音が生活に果たす役割を考えたり、音楽文化の多様性を理解した
   りする学習を重視してはどうか。

4,鑑賞の指導のあり方
 音楽のよさを生み出しているさまざまな要素の働きなどを聴き取ったり、音楽に対して、根拠をもって
 自分なりに批評したりすることのできる力を育成する指導を一層充実してはどうか。
5、我が国の音楽文化などの指導のあり方
 わが国の伝統音楽に対する理解を基盤として、我が国の音楽文化に愛着をもつとともに他国の音楽文化を尊重する態度を養う観点から、各学校段階の特質に応じて、我が国や郷土の音楽の指導を一層充実してはどうか
(例)小学校:文部省唱歌など我が国で長く歌い継がれ親しまれてきたうたや郷土の音楽を教材として
   取り上げる指導を一層重視してはどうか。

   中学校:我が国の伝統的な音素材の特徴などを生かした学習を充実する観点から、和楽器の取り
   扱いに 加えて、我が国の伝統的な歌唱の取り扱いも重視してはどうか。
6,高等学校における科目の内容について
 中学校音楽科との関連を考慮し、音楽文化の継承と創造への関心を一層高めるために、我が国の伝統音楽や鑑賞の学習を充実するとともに、生徒の個性を生かした創造的な活動を行うようにしてはどうか。

(例9「音楽T」:中学校音楽科の学習を踏まえ、音楽文化に関する学習を充実してはどうか。

第64回国会 文部科学委員会 第18号はこちら

中教審 審議経過報告【抜粋】から  〜今求められている音楽科教育への期待〜 はこちら

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     <栃音愛の会>”とちおとめのかい”栃木県芳賀郡市の授業研究風景です。

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