新学習指導要領告示近し 中教審「最終答申」をどう読むか・・・!! 1、文部科学省中央教育審議会平成20年1月17日「幼稚園、小学校、中学校、 高等学校及び特別支援学校の学習指導要領の改善について(答申)」pp.94-95 その2 広島大学 松本 徹 |
先日、松本先生から標題について今後、どのように推移していくかにつていお話しを伺う機会があった。すでにご案内のように新学習指導要領案(2月)がだされた。その日から1ヶ月間パブリックコメントで広く意見を問うことになり、近々に告示!!の運びで動いている模様。解説書は夏頃までには発刊されるでしょうか・・・・。移行を経て、23年度から実施・・・・・。
その研修会で参考資料として配布された内容をその2として紹介します。
音楽への 関心・意欲・態度 |
音楽的な感受や 表現の工夫 |
表現の技能 | 鑑賞の能力 |
音楽に親しみ、音楽を進んで表現し、鑑賞しようとする。 | 音楽の良さや美しさを感じ取り、それらを音楽活動の中で創意工夫し、生かしている。 | 音楽を表現するための基礎的な技能を身に付けている。 | 音楽を楽しく聴取、鑑賞し、そのよさや美しさを味わう。 |
2.評価の観点と趣旨
3、現行学習指導要領
A表現(2) 低学年:楽曲の気分や音楽を特徴付けている要素を感じ取って、工夫して表現できるようにする。 中学年・高学年:曲想や音楽を特徴付けている要素を感じ取って、工夫して表現できるようにする。 A 表現 イ 拍の流れやフレーズを感じ取って・・・・・・(低) イ 拍の流れやフレーズ、強弱や速度の変化を感じ取って・・・・・・(中) ア 歌詞の内容や楽曲の構成を工夫して・・・・・・・・・・(高) イ 拍の流れやフレーズ、音の重なりや和声の響きを感じ取って・・・・・・(高) B 鑑賞 (1)音楽を聴いてそのよさや美しさを感じ取るようにする。(中) イ リズム、旋律及び速さに気を付けて聴くこと。(低) イ 主な旋律の反復や変化、副次的な旋律、音楽を特徴付けている要素に 気をつけて聴くこと(高) イ 主な旋律の変化や対照、楽曲全体の構成、音楽を特徴付けている要素を曲想との かかわりに気を付けて聴くこと(高) |
4、芸術専門部会での主な意見
・「音楽の諸要素」やそれらの働きを近く・感受することが学力の中核となる。 ・外界を認識する「知覚」と、それに基づく「感受」を評価に位置付けて、学習の対象とはぐくむ能力を明確に することは必要である。 ・「知覚」は分析的にとらえること「感受」は総合的にとらえることと考えてきたが、学習指導要領ではそれを 今まで全部、とにかく「感じ取る」という一つの言葉であらわしてきた。それをあいまいにしないで、うまく表現 できるように考えていきたい。 |
○音楽を特徴付けている要素や音楽の仕組みを聴き取り、(知覚) →分析的 ○それらの働きによって生み出される音楽的な面白さやよさを感じ取ること。(感受) →総合的 |
5、答申文から
「体験していることやしたことを言葉によって思考したり、まとめたりすることを行わなければ、体験によって学んだことはまとまったものとして子どもに定着しない。同時に、体験よりも言葉を重視した場合には、「なすことによって学ぶ」という音楽科本来の在り方から離れた授業となってしまうのであろう。だたし、ここで述べておきたいのは、体験と言葉のバランスを取るということではなくて、体験と言葉が、お互いに必要十分条件として成り立つようなかかわりを教師が授業設計において組織化しなけばならないのということである。」 「言葉を通して友だちを自分が音楽の中で発見した要素やその働き、音楽の仕組みについて学びの共有化を図るとともに、ある程度客観的にとらえることのできる音楽の要素や仕組みから感じ取ったこと(子ども一人一人の主観的な価値観)を友達と共有したり、互いの価値観を認めあえる素地を形成する」(高須 一) |
6、高須 一「音楽科における言葉の重視と体験の充実」(文部科学省教育課程課編
「初等教育資料」 No824,平成19年8月号、 P.5