2007年8月26日(日)
        ジジの音楽武者修行
     
      スクールーオーケストラと そのヴァリエーション
              
      芝居小屋の魅力に感動
                        〜彼らに乾杯〜                 
                                             
  NO 101

”ジ〜 ジ〜・・・”今朝も、セミの鳴き声で目が覚めた。”ミ〜ン・・・・・・”だったらまだ可愛いが、連日の激しい暑さのせいだろうが、”ジ〜ジ〜!!”としか聞こえない。短い命を精いっぱい鳴いているのだろうと多少の同情はしても・・・・。

”信濃町の芝居小屋(文学座)が近々取り壊しになる!!”と聞いて出かけた。この日も36度とか・・・。
JR信濃町改札口近くの花屋さんに寄り、プレゼント用の花束を買った。”・・・エ・・!!”これって ケーキの箱では・・・・??”。店員さんが”これをお渡しするときには、お花ですから・・・といってお渡しください。そうでないと、このままケーキと間違って冷蔵庫に入れてしまう方もいらっしゃいますので・・・”  納得 納得・・・。

駅から、慶応義塾大病院を左に見ながら歩くこと、5〜6分。4つ目の信号を左に折れると右側は住宅街。その一角が文学座。看板を見落とすと、ただの古い民家と全く変わらない。入り口の角に古ぼけた数枚の案内表示がある。建物の周囲をよく見ると歴史的価値がありそうな、昔ながらの「芝居小屋」って感じ。

玄関を入り、受付で先ほどのお花箱を”・・・さんに御願いします。 これは、ケーキでありません。お花ですから・・・”といって渡す。ビニール袋をもらい靴を入れて中に入る。超 狭く、天井は低い。ステージと言っても14畳位の広さに、セットを組んである。ちなみに画像の部屋は8畳ほど。左に扇風機、右に茶タンス、その奥が台所。中央が出・入り口、畳部屋の中央に茶ぶ台・・といったセット。(このワンセットだけで1時間40分のドラマが展開していくことになる)

その反対側が客席。席はギュゥーギュゥに詰めて込んで50名?も入ればいいとこ。最後部の席は頭を下げて席に着く。最前列とステージは1mと離れていない。一様、冷房は効いている。
突然、スタッフから”照明の関係もあり相当暑くなりなりますので、今から保冷剤を配ります・・・” ”何!! エッ・・!!”と声を出したのはジジだけのよう。
始まりのブザーは鳴らず、部屋全体の照明が落とされ真っ暗になる。再び明るくなり、いよいよ”はじまり はじまり・・・”といった具合。

今回の題(プログラム・演題・演目・出し物・・・・何と呼ぶのか知りませんが・・・)は「零下62度」。酷暑をおもってのタイトルだろうが・・・。4名の若手によるお芝居である。ストリーはともかくとして・・・・・。
この種の芝居小屋には、小竹町(池袋)のサイスタジオをはじめ、三軒茶屋などを含め数箇所行ったことがある。スタジオや小屋という呼び方は違っていても、信濃町の小屋と似たり寄ったり・・・。人一人やっと通れるような通路や階段、狭く、客数も多くて、70〜80未満。少しでも隙間があれば、薄い座布団をもってきて、、ギッシリ詰め込み、決して綺麗とは言えない・・・。舞台装飾も手作り風で、上等には見えない。照明もライトは裸で丸見え状態。この光景はどこの小屋でも同じ。

それに比べて、テアトル銀座で観た「シラノ・ド・ベルジュラッ」(江守 徹他)・「伝説の女優」(浅丘ルリ子・木の実ナナ・太川洋介・大澄賢也他)・「ウエストサイドワルツ」(若尾文子・浅野温子他)・・・・は全く違うのである。
こちらは、キャパも300〜400? 背もたれ付きのデラックス椅子、天井も高く、舞台装置も超大がかり・・・。 演目?によっては、幕ごとに舞台転換もある・・・。音響もグッド・・・。正に豪華な劇場である。ドレスアップした客層も多いし、受付近くには、花束の列。各花には”・・・・様へ”と書かれ、スタンド付きのも多く、とても華やか・・・。

しかしながら、劇場より、もっと身近に楽しめるのが芝居小屋の魅力。
狭い空間であるがゆえに味わえること。それは出演者の繊細さや、迫力、微妙な表情の変化といった素晴らしい演技や表現を真近かに見たり、感じることができるのである。息使いから、額の汗の一粒一粒まで見える。体当たりの演技に感動し、引き込まれてしまうのである・・・・。

終わった後、出演者は外に出てきて挨拶を交わしてしる。ステージを終わった彼等の姿は街中で見る普通の若者と変わらない・・・。”先ほどまで、汗を飛ばしながら芝居をし・・観客を完全に引き付けていた彼らが・・・!!。

でもそこには、練習は当然のことながら、生活を含めてとても厳しい世界であると聞いたことがある。生き残これることの難しさ・・。そのような環境にあって今尚、自分を磨き続けている若者4人。生き生きとした目の輝きや透明な顔の艶・・・。挑戦し続けている者の眩しさを感じた。パンフレット(今回のステージ衣装で)の顔写真より少し痩せて見えたのも、ジジだけではなかっただろう。

今年の夏もたくさんの感動をもらった。今回もその中の一つを紹介しました。

                     
▲トップへ
                                  ■バックへ